Question
能・狂言の敷居を下げて、みんなに親しんでもらうにはどうしたらいいです?
2024年1月、横浜能楽堂が改修のため2年半休館することになり、仮移転先や今後の方針を話し合う中で、みなとみらいのランドマークプラザ5階に「OTABISHO 横浜能楽堂」がオープンすることになりました。伝統文化に気軽に触れていただく場所として、ロゴマーク・展示空間・展示コンテンツからSNSプロモーションまでトータルでディレクションしました。
たくさんの方に気軽に能・狂言に親しんでいただくために、カジュアルでありつつ親しみやすいデザインを意識しました。また、「能・狂言って聞いたことはあるけど、よくわからない」という声を反映して、「能・狂言ってなに?」という問いをファサードに掲げ、見て触れて体験することで気軽に伝統文化親しんでいただける場所であることを伝えています。
【 ロゴマーク】
【 キャッチコピー】
exhibition design
限られた空間の中で、オフィススペースもとりながら、効率的に展示を展開するために、それぞれの場所に作り付け家具をデザイン・製作しました。また、奥に小上がりスペースを設けることでトークイベントや上映会・体験会などのイベントにも対応できるようにしました。展示コンテンツは、カジュアルになりすぎて能・狂言の格式高い世界観が損なわれすぎることも懸念し、気軽に体験できるものと実物に触れてもらうもののバランスを重視しました。全体像をしっかり描いた上で、横浜能楽堂さんをはじめとしてプロフェッショナルの様々な方々と連携してデザイン・製作を進めていきました。
家具製作:LIU KOBO
模型製作:パンタグラフ
能装束製作:山口能装束研究所
イラスト:Yasunori Kawashima
1/24のスケールで人形などを立てて遊ぶこともできる能楽堂の模型、鐘を下してすっぽり被り能舞台を擬似体験できる道成寺の鐘、能・狂言の歴史や現代への繋がりが一目でわかるインフォグラフィックで作った壁面、能装束の生地の額装・・・細かなサイン類までディレクション&デザインしました。
模型、作り物、能面展示はフォトスポットとしても機能するようにし、それらをSNSを通じて日々発信していくスキームを作ることで展示とのPRを連動させることを意識しました。
【エントランスのグラフィック】
【作り物・道成寺の鐘ー1/2スケール】